引っ越し時の本籍変更の必要性と変更手続きの方法

引っ越し時に本籍も異動するのか、迷うかたも多いと聞きます。

戸籍謄本や住民票にはそれぞれ役割があり、示す意味は全く違います。

今回は、引っ越し時の本籍変更の必要性と変更手続きの方法を紹介します。


引っ越し時の本籍変更の必要性

引っ越し時の本籍変更の必要性と変更手続きの方法

本籍とは、実在していることの証明です。

場所との関りはないため、引っ越しをしたことによって本籍を変更する必要はありません。

また、住民票との違いがわかり辛いなどという声も耳にしますが、住民票や戸籍謄本、戸籍抄本はそれぞれの役割があります。

住民票

住民票は住民基本台帳にもとづき、住所に関係する届出や手続きがやりやすくなるように、地域に住む住民の名簿の役割があります。

戸籍謄本

戸籍謄本とは、戸籍に入っている全員の「いつどこで生まれ、親は誰か、既婚か、独身か、子どもは誰か」このようなことを時系列で表した公文書です。

戸籍謄本は、婚姻届、離婚届、転籍届、養子縁組届、養子離縁届、氏の変更届、名の変更届、死亡届、相続手続き、遺言書を作成する時は必要になります。

戸籍抄本

戸籍抄本は、戸籍に入っている個人の「いつどこで生まれ、親は誰か、既婚か、独身か、子どもは誰か」ということを時系列で表した公文書です。

戸籍抄本は、パスポートの発給申請(切換えや訂正時)、生命保険の請求時、年金を受給する時に必要になります。

本籍の変更が必要な時の代表的なものは、結婚をした時です。

婚姻届を提出すると新たな戸籍が生まれ、親の戸籍に戻ることはできません。

婚姻届の記入欄にある「新しい本籍」が本籍になります。

本籍を変更する場合、「転籍届」を提出します。

転籍届の提出先は「現在の本籍地」のある役場か「変更後の本籍地」のある役場、「現住所(住民票を置いている)」のある役場のいずれか3か所のうちの1か所に出します。


引っ越し時の本籍変更手続き方法

引っ越し時の本籍変更の必要性と変更手続きの方法

引っ越し時に本籍を変更する場合は、転籍届を提出します。

必要なもの

転籍届
届出人の印鑑
戸籍謄本(同市区町村内での転籍は不要)
本人確認書類(運転免許証)

提出後、新しい本籍地の役場に本籍が移りますが、戸籍謄本や戸籍抄本を発行してもらうには約1週間ほど時間がかかります。

引っ越しを機に本籍を異動する場合、メリットやデメリットがあります。


本籍を変更するメリット

戸籍謄本や戸籍抄本の取得が楽になる

現在住んでいる場所と本籍が遠い場合、基本的には本籍の役場へ交付申請書を郵送する必要があります。

ただし、現在ではマイナンバーカードがあればコンビニで戸籍関係の書類を取得することができます。

一部記載がされなくなる

主に「離婚」の記載がされなくなるため、本籍の変更をするかたもいます。

異動する際に戸籍の台帳に継続して記載されるものと「離婚」を記載しないものとして戸籍を作ることができます。

ただしこの場合、同じ市区町村内の異動では記載はそのまま残ります。

名所に本籍を置くことが可能

本籍はどこにでも置くことができるため、自分が必ずしも住んでいなくても構いません。

例として、東京タワーやスカイツリー、皇居、大阪城などの住所を調べて本籍を置くかたもいます。


本籍の変更によるデメリット

全ての戸籍情報を取得するのが困難

通常は自分自身の出生時から今現在の戸籍情報を全て集めることはほとんどありませんが、死亡したあとの相続の時などは、出生から死亡時点までの戸籍情報を集める必要があります。

通常の戸籍の場合、両親の戸籍にいたものを、結婚して配偶者と新しい戸籍を作り、必要な手続きは2か所の役場から戸籍を取り寄せるだけで良いですが、変更するともう1か所から取り寄せる必要が出るため、変更するたびに手続きが複雑になっていきます。


まとめ

引っ越し時の本籍変更の必要性と変更手続きの方法

引っ越し時の本籍変更の必要性と変更手続きの方法について見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • 引っ越し時の本籍の変更手続きは必要ない
  • 本籍の変更手続きの提出書類は、現在の本籍地のある役場、変更後の本籍のある役場、現住所(住民票を置いている)の3か所のいずれかに提出する
  • 本籍を変更した後、戸籍謄本や抄本の発行までに1週間ほどかかる

本籍の変更届は受理されてから発行までに1週間ほど時間がかかります。

急いでいる場合は本籍地の役場に確認してみましょう。

また、住民票は届出当日(平日)に発行ができます。

役場関係の書類の変更をする場合は、あらかじめ電話で尋ねておくとタイミングよく手続きをすることができます。