法人、個人事業主の引っ越しで費用を経費にできるケース、経費割合

一般家庭の引っ越しとは違い、法人や個人事業主が引っ越しをする際は、経費が関わります。

引っ越しの中身でも、どの部分が費用として認められるのか、これから事業を立ち上げようと検討中のかたは迷う部分でもあります。

今回は、法人、個人事業主の引っ越しで費用を経費にできるケース、経費割合について紹介します。


法人の引っ越しで費用を経費にできるケースと経費割合

法人、個人事業主の引っ越しで費用を経費にできるケース、経費割合

法人の事務所の引っ越しの場合、引っ越し費用の中で経費として計上できるものは引っ越しにかかった費用や火災保険料、仲介保険料です。

仕訳としては項目上雑費として処理しておき、青色申告の時に経費として計上できます。

敷金は経費として計上することはできず、礼金20万円以下の場合は地代家賃として経費計上することができます。

敷金は後から戻る場合があるため、修繕費を引いてから修繕費を経費計上します。

また、転勤などの従業員を引っ越しさせる場合、会社の経費である特別支出控除で計上します。

会社の負担金などにもよるため、確認しておきましょう。

この時の勘定科目は福利厚生や旅費交通費、荷づくり費など、様々です。

法人の場合の経費割合の基本的な考え方は、法人と役員の契約によるものです。

役員が家賃を支払う場合でも契約が役員個人と法人の場合では計上方法も異なります。

法人の場合は賃貸住宅を社宅扱いにしたり、転勤手当として支給している場合などで取り扱いが異なります。

様々なケースによって計上方法が異なるため、自分一人で判断せず専門家に相談しておくと良いでしょう。


個人事業主の引っ越しで費用を経費にできるケースと経費割合

法人、個人事業主の引っ越しで費用を経費にできるケース、経費割合

個人事業主の引っ越しの場合は経費として計上することはできますが、自宅兼事務所のような場合は、事業に使用している部分の所有面積によります。

個人事業主の引っ越し費用の経費において、経費割合「按分」という考え方は大切です。

「按分」とは、比例した割合で物を割り振ることですが、個人事業主の経費計上は基本的に全て按分します。

自宅兼職場の引っ越しの場合は、自宅の引っ越し費用と仕事場所の引っ越し費用になります。

敷金

敷金は引っ越し費用として計上できません。

敷金は退出の際に返還される費用のため、経費計上ができません。経費計上する場合は、退出時になります。

預けた敷金で事務所として使っていた部屋の修繕の経費が修繕費として計上できます。

礼金

礼金は勘定項目を地代家賃として経費計上できます。

ただし、金額は20万円未満とし、20万円を超える場合は5年間で減価償却します。

20万円を超える勘定項目は長期前払費用となります。

仲介手数料

仲介手数料は支払手数料、または雑費として経費計上できます。

引っ越し時に利用する資材

資材は勘定項目を荷造運賃として経費計上できます。

火災保険料

火災保険料は勘定項目を損害保険料として経費計上できます。

鍵交換代金

鍵交換代金は勘定項目を修繕費、または消耗品費として経費計上できます。

その他に、粗大ごみ処分にかかる費用、不用品の引き取り費用や、入居の前に事務所の荷物の一時預かりをした場合でも経費として計上できます。

エアコンの取り付けは仕事で使用する部屋のみ、テレビなども仕事で利用する場合に限り経費として計上できます。

ピアノはピアノ教室などは別ですが、洗濯機などは直接仕事に関係ない場合は計上できません。

按分とは言っても、基本的には個人事業主の考え方が大切です。

自宅兼職場の場合、特に仕事用の場所と自宅部分がどれくらいの割合になっているのかを考えます。

また、場所の広さ以外に、一日の仕事の時間で按分することもできます。

仕事している時間が24時間のうちの何時間かを計算すると仕事と自宅の割合を算出できます。

個人事業主の按分は一般的に3~4割が平均的です。

基本的な配分を頭に置いて費用算出にぜひ役立ててください。


まとめ

法人、個人事業主の引っ越しで費用を経費にできるケース、経費割合

法人、個人事業主の引っ越しで費用を経費にできるケース、経費割合について見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • 法人の場合の経費割合は、法人と役員の契約によるものである
  • 個人事業主の経費割合は、按分によるものである
  • 法人や事業主が引っ越しをする場合は、多くの業者から選ぶこと

法人と個人事業主の経費を考えると、経費として計上できる部分が多いと引っ越し費用は安く済みます。

基本的な引っ越しの費用だけでなく、一時預かりや不用品処分などのオプションサービスも経費を計上する際には大切な部分です。

多くの引っ越し業者の見積もりをとるには、一括見積もりサービスを利用して、業者に直接相談することをおすすめします。